とことん市民・野沢今朝幸の笛吹市議会レポート12(11月28日掲載) 主な議会活動
後日談となるわけだが、10月21日実施された市長選で、多機能アリーナ建設に暴走する荻野現市 ◎代表質問
代表質問では、10月21日の市長選をにらんで、「市長選に臨む荻野市長に問う」として、以下2 荻野市長は前回の市長選の公約で、市政を執るうえでの「基本方針」として、「市民自治の拡充」 2.今回の市長選の争点(市政の課題)は何だと考えるか。 荻野市長は今後4年間を考えたとき、何が今回の市長選で、争点とされる「市政の課題」である 1の質問の「市民自治の拡充」では、多機能アリーナの建設を問う「住民投票条例」に対し、荻野市 また、「財政の健全化」についても、荻野市長の言うのは、現時点での「健全化」ばかりであり、市 2の質問の「市長選の争点」であるが、荻野市長からは何一つ積極的にしようとする姿勢は示されず 荻野市長にとって、今回の9月の定例議会は2期目最後の議会であったが、とうとう最後の最後まで |
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とことん市民・野沢今朝幸の笛吹市議会レポート11(9月1日掲載) 主な議会活動 H24年3月定例議会<2月24日〜3月16日> ◎一般質問 笛吹市から120キロ先に位置する浜岡原発は、3.11の福島第一原発と同じであり、構造的に最 だが、荻野市長は、3.11から1年も経つのに、浜岡原発の危険性に対し、公の場で何の発言も活 市民の何人からか、かなり確かな話として「荻野市長は脱原発に積極的だ」と聞いていたので、 私は少なからず期待し、今回の質問に臨んだ。 だが、まず、このような、荻野市長にとってその政治姿勢が問われる質問に対しても、いつもの ことであるが、市長本人が自らその見識見解を述べることなく、担当部長に答弁させるという形を とった。このことからして、荻野市長は、市民の生命と財産を「原発震災」から守るという、気概 も使命感もまことに希薄であるとみていいと思う。しかも、その部長の答弁は、「現在、国・県で 原子力災害の防災対策の見直しを行っており、その指針を受けて、市の対策を進めていきたい」と いう、全く緊張感のないものである。 国や県いわゆる「お上」が信じられない、ということが今回の「原発震災」から学んだ教訓であった 荻野市長は、日頃から「市民の生命と財産を守る」のが、政治の第一の仕事であると言っている。 仮に、荻野市長が浜岡原発の危険性を十分認識しているとしたら、「市民の生命と財産を守る」という H24年6月定例議会<6月18日〜6月28日> ◎一般質問 一般質問の持ち時間は(答弁の時間は除き質問のみの時間)は各自15分と短いので、質問は2問ま しかし、今回は時宜を逸しては質問の緊迫感が薄れるような事案が2件あったので、敢えて二つの質 一つ目の「指定管理委託施設の改修」に関する質問のポイントは、「沢妻亭」という公設の食堂に対 今回の改修は、これまでの指定管理施設の改修の枠から大きくはずれるものであり、全く原理原則も だから、私は、今回の改修を踏まえて、指定管理施設の改修に関する原理原則をしっかり決めるべき 二つ目の「保健師の支所への配属」に関する質問は、芦川町で昨年度発生したいずれも病気を原因と 医療機関から遠く離れ、交通の便も悪く、独居高齢者の多い芦川町にあって、相次ぐ高齢者の「孤独 @市当局は、今回芦川で発生した「孤独死」をどのようにみているか。 A市としての対策は何か考えているか。 B芦川町民の不安の解消を今後の予防という観点からすると、保健師の芦川支所への配属が必要と考え
荻野市政は、合併以来、経営の効率化・合理化と称して、支所機能を縮小し、本庁へ機能を集中し、 もちろん、市町村合併後、行政分野においては、仕事の効率化という観点から、つまり経費削減とい 合併前の芦川村においては、保健婦さん―こう呼んだ方がしっくりくるわけだが―は、村民とりわけ 保健婦さんが身近にいてくれることによって得られた「心の安寧」は、市当局の言うように他の方法 |
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とことん市民・野沢今朝幸の笛吹市議会レポート10 (2012年2月18日掲載) 主な議会活動 1 平成23年第4回臨時議会(11月21日)において質疑 前号で、地方自治におけるその重要な意味づけをしておいた、住民の直接請求による「住民投票条例 「多機能アリーナ建設の賛否は住民の投票によって決すべし」という主旨の、市民による条例の提出 私は当臨時議会において次のような「質疑」を行った。 まず、質疑で、条例提出に添えられた「市長の反対意見書」には、なぜ住民投票に反対なのか、とい 2 平成23年第4回定例議会(11月30日〜12月13日)における一般質問 12月の定例議会においても、「多機能アリーナ建設」問題は審議の中心となった。しかも、一段階 そこで、私は、「多機能アリーナ建設事業は、来年の市長選、市議選まで、その事業費を凍結すべき 先の臨時議会においては、12,424名の市民による「多機能アリーナ建設を問う住民投票条例」制定の その結果、「多機能アリーナ」建設事業は、市民と市政との溝を更に深くし、その関係の修復はます 今、市政に問われているのは、“市民に信頼される市政”をいかに取り戻すか“ということである、 |
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とことん市民・野沢今朝幸の笛吹市議会レポート9 (11月19日掲載) 主な議会活動 平成23年9月定例議会((9/5〜9/26) ◎
代表質問 21世紀と時代が進展してきているなかで、新たな行政課題が、今後の市民生活のあり方を左右するような喫緊なものとして浮上してきている。その中でも、地域主権社会の確立、財政の健全化、少子高齢化への対応はその背景に社会構造の変化を伴っているだけに、抜本的な対応が、今後強く求められる。
執行当局の答弁は― @については、「今後の課題としたい」というものであり、今後の積極的な取り組みはほとんど期待できない。目下、笛吹市において最大の政治的争点となっている「多機能アリーナ建設問題」も、しっかりした「自治基本条例」が制定されていたならば、市長の独断専行を許さなかったはずである。 Aについては、「行財政改革の推進をめざし、組織の見直しを行う」というもので、全く質問には答えていない。行財政改革が効率一辺倒であったがために、今日のような「中央集権市」が出来てしまったことへの反省がヒトカケラもなく、ますます地域主権社会が遠のくような答弁である。 Bについては、「公共施設白書の作成を視野に入れ、取り組む」としており、前向きな答弁が得られた。「公共施設白書」をもっとも早い段階で作成していたなら、「多機能アリーナ建設」を含む「6大プロイジェクト」など、そう簡単にぶち上げることはできなかったはずである。箱物行政から決別するためにも「公共施設白書」の早期の作成が待たれる。 Cについては、これらの具体的な提案に一言も言及することなく、「今後の状況を確認し対応する」というほとんど無意味な答弁であった。今後の首長選がますます「マニュフェスト選挙」の色彩を強くしていくことは間違いのないことであるから、「総合計画」の策案時を選挙後に合わせ、そして、計画期間を首長任期と同じ4年間とすべきであろう。そうしても何の問題もないのにそうしようとしないのは、行政特有の横並び主義による怠慢以外の何ものでもない。 Dについては、「今後も引き続き、部局横断的に対応していく」という答弁であったが、とても現状の取り組みの延長では解決のできるような生易しい問題ではない。いわば「団塊世代の大移動」ともいえる事態の進行にたいして、あまりにも甘い認識しか持っていないことが分かる。団塊世代の地域での在り様が自治体そのものの評価を決めていくような時代となりつつあるのだが・・・。 ◎アリーナ住民投票に12,809名が署名 笛吹市議会に身を置くものとしては情けない話だが、住民の直接請求によって、「多機能アリーナ建設」の可否を問う住民投票条例を制定しようと、9月の一か月をかけて署名が集められた。「情けない話」と言ったのは、本来、市民を代表するのが市議会であるのに、市民からみて、全く市民を代表していないのが、「多機能アリーナ建設」に対する現下の笛吹市議会であり、到頭、業を煮やした市民が、直接請求のための署名運動に打って出た、というのが本当のところだからである。 地方自治法で定められた条例制定に必要な署名者数は有権者の50分の一であり、今回の場合、選挙管理委員会の発表によると1,153名である。その何と10倍以上の市民が署名に応じたわけである。条例制定の直接請求は、首長のリコールとは違い、たとえこれだけの署名が集まっても、結局のところ議会の議決によってしか条例の制定は果たされない。リコールのように、法廷署名数以上になれば自動的に住民投票というわけにはいかないのである。これは、代表制をあまりにも優先する法制的な欠陥であると私は思うのだが、この欠陥を改正しようと強い意欲を表していた前総務大臣の片山義博氏が首相交代とともにやめさせられたのはとても残念である。 それはさておき、将来の市民に大きな影響を与える巨大施設「多機能アリーナ建設」を住民の投票で決しようとする笛吹市民の考え方と行動は、笛吹市の民主主義を大きく前進させたのではなかろうか。代表民主主義が機能不全に陥ったとき、すぐに直接民主主義を発動させる、そういう市民の気構えと行動は、代表(議会制)民主主義に胡床をかくことを議員に許さず、議会をより健全なものにしていく。このことは単に笛吹市に限られるのではなく、少なくとも県下の市町村に少なからず影響を与えていくだろう。そう考えると、山梨県における地域主権社会の確立に対しても、今回の笛吹市民による直接請求運動は、かなりの寄与をしていくとみることができる。 その寄与を大きくするためにも、一か月ほど後に開かれる議会では、直接民主制と間接(代表制)民主制との望ましいあり方についてしっかり論陣を張っていくつもりである。 |
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とことん市民・野沢今朝幸の笛吹市議会レポート8(8月7日掲載) 主な議会活動 戦後最悪の「国難」に国民すべてが協力連帯して立ち向かわなければ成らない時、6割の市民が反対し、国費を30億円も使う「多機能アリーナ」建設は、誰が考えても許されるようなものではない。事実、多くの市民は「これで(東日本大震災)で『多機能アリーナ』は間違いなくなくなった」と合点し、嬉しがっていたのであった。 が、しかし、その後の荻野市長はこともあろうに、東日本大震災に便乗して「多機能アリーナ」建設を逆に正当化しようとするような言動にでた。そこで6月定例議会では、その欺瞞性と不見識とを明らかにするため、以下の質問を行った。
質問に対する答弁であるが、これがいつものことであるが、こちらから納得できるような実のある返答は何一つとしてなかった。「聞く耳を持たぬ荻野市政」であるから無理からぬことではあるが。 ここでは、荻野市長がどのように東日本大震災に便乗して、「多機能アリーナ」建設を進めようとしているか、という点について説明しておこう。 荻野市長は二つの事柄で便乗を図っている。一つは、「多機能アリーナ」を急遽、避難拠点として位置付け、その正当性を唱えた点にある。もちろん45億円もの大金を注ぎ込んで建てる施設が、避難所として役立たないわけがない。問題はそれだけ多額の金をかけるなら、市民にとってずっと防災上、必要で大切なこと(もの)が他にあるということである。 たとえば、市民がいの一番に逃げ込む公民館や地元の小学校、そういうものが避難所としていずれも不十分であることは、今回の大震災かが明らかにしてくれたことである。ほとんどの市民は、そこまで逃げて行くことさえ危ぶまれる「多機能アリーナ」に、そしてプライバシーもへったくれもないダダッ広い「多機能アリーナ」に45億もかけることを望んではいない。 これはほんの一例にすぎないが、こういうことを全く度外視して、「多機能アリーナ」は避難拠点としてきわめて有効であるという正当化の理由づけは、東日本大震災への便乗以外の何ものでもなかろう。 もう一つの荻野市長の便乗は合併特例債の適用制限にかかわるものである。 笛吹市では「多機能アリーナ」を、合併特例債を活用して建設しようとしているが、その適用期限は平成26年度である。合併後10年が適用の期限であり、すでに残り3年少々となっている。 それにもかかわらず、「多機能アリーナ」建設事業は、肝腎かなめの土地交渉にすら入れない状況にある。今後、各種の許認可に要する時間を考慮すると、いまの時点ですでに平成26年度の完成は無理と見られている。 そこで市長が持ち出したのが、東日本大震災を理由とした、合併特例債の適用期限(10年間)の延長である。荻野市長は、県市長会に働きかけ、それを受けて県市長会が市長会の関東ブロックで提案し、最終的には政府による期限延長の法的改正を引き出そうというものである。 池田部長の答弁では、なぜ合併特例債の適用期限の延長の理由として、東日本大震災が持ち出されたのか明らかにされなかった。考えられるのは建設資材の逼迫であるが、東日本大震災の復旧工事によって、日本の建設資材が逼迫して、公共施設建設工事が滞っているという話は聞かない。ニュースにもなっていない。ましてや、笛吹市の「多機能アリーナ」建設はまだ基本設計の段階にある。 荻野市長は、「多機能アリーナ」建設が合併債適用期限に間に合わないかもしれないとみたから、東日本大震災を理由に、適用期限延長を“一般論”に仕立て上げた、というのがほぼ間違いのないところだろう、これが、東日本大震災への便乗でなくして何であろう。本当に恥ずかしい話である。 「多機能アリーナ」建設に対する市民意向では、これまで6割の市民が反対であるが、大震災以後は更に反対の市民が増えている。市が開催した市民ミーティングで、市民の合意を取り付けるため、市は、45億円の経費のうち30億円が国の金であるとしきりに説明してきたので、これまで賛成だった市民の中に、「こんな国難の時、国の金を30億円も使うべきではない」と考えて、反対にまわった市民が、大震災後増えたからである。 しかし、賛成派議員はそんなことには一切おかまいなしで、市長にべったりである。市当局と離れては何もできないのか、賛成派議員は、「市民の声を届ける会(代表・佐藤惺恵)」からの再三再四の対話の申し出を断り続けている。議長を中心とするそういう議員が「議会改革を」しきりに唱え、そのための検討委員会のメンバーの多数を占めている。市長べったりでは「議会改革」など程遠い話である。しかし残念ながら、それが笛吹市議会の現状である。 |
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とことん市民・野沢今朝幸の笛吹市議会レポート7(4月9日掲載) 主な議会活動 「多機能アリーナ」建設問題は、市側の独断専行と、市民の予想以上の反対の声の大きさとを考えると、今後の方向として、すべての市民の意向を反映できる「住民投票」に持ち込んでいくべきであると私は確信し、今回の一般質問では、「住民投票」一本に絞って質問を行った。 これをテーマに、 @多機能アリーナ建設計画は、市民の理解を得られていると考えているか、また、今後、理解を得られ A長野佐久市で実施された「総合文化会館」建設反対にかかわる住民投票に学ぶべき点はないか。 B市長は、「多機能アリーナ」建設計画を住民投票に委ねる考えはないか。 肝心の住民投票の答弁では、「首長を議会の判断重要施策で対立した場合、住民投票は実施されるものと理解しており、実施の必要はない」とした。確かに、佐久市の例では、建設に慎重な市長と建設に積極的な議会とで、対立があった。しかし、住民投票を実施せざるをえなかったのは、六十億円とも七十億円とも言われる総合文化会館の運営に対し、市民の間で大きく賛否が割れていたからである。(結果は7割の反対で中止。建設用地の取得まで終了していたのが。) これまで全国で実施されてきた住民投票は、合併の賛否を問う住民投票、原発の誘致を巡る住民投票など、いずれもそこに住む住民の間の大きな意見の対立を背景としている。住民の間で大きな意見の対立がないならば、住民投票などやる必要がそもそもない。やったって結果は初めから分かっているわけだから。市当局の答弁のように、首長と議会が不一致であろうと、また一致していようと、そんなことは問題ではない。住民投票で問題なのは、そこに住んでいる住民に将来にわたって多大な影響を与えるような施策・事業に対して、住民の間に大きな意見の対立があるかどうかである。こんな常識的答弁さえ許されないのが、市長と議会の大会派によって歪められた笛吹市政の現実である。 平成23年 3月定例議会(2/24〜3/17) そこで改めて、「多機能アリーナ」建設の正当性について多方面から問いただすことによって、市民の賛否の判断材料を提供しようと、以下の質問で市当局を問い質した。 @
「多機能アリーナ」建設は、「合併以来の懸案事項」としているが、合併時にどのように合意されるのか、具体的に示して頂きたい。 A
6大プロジェクトが実施されても市財政の将来は健全であるとしているが、公共施設の改築改修の経費及び増大する扶助費は正確に参入されているか。 B
「多機能アリーナ」の目的は、1500〜2000席を有する集会施設ということにあるが、これだけの座席を使用する集会等を年何回想定しているか、また具体的にはどのような催しか。 C
市長は笛吹市に「多機能アリーナ」が必要であるという説明に、アイメッセでの大きな大会を例に引いているが、なぜ市内に大型の集会施設がなければならないか判然としないので、説明を願いたい。 D
市民の間で意見が大きく割れ、市民の将来にかなりの影響を与える「多機能アリーナ」の建設の賛否は、住民投票によって決するのが、市民も納得でき、遺恨も残さないすっきりした方法であると思うが、市長はどう考えるか。 例えば、前初の質問の「合併以来の懸案事項」に関しては、合併時の「新市建設計画」に、「多機能アリーナ」というような表現はないが、生涯学習施設やスポーツ施設、集会施設などの整備が唄ってある」と答弁しているが、これなどは言い訳の最たるものである。 市長は、この「新市建設計画」は当時の合併町村長と一時一句を慎重に検討したと、当時の様子を自ら説明しながら、どこにもそんな表現のない「多機能アリーナ」という大型複合施設を勝手に「計画にある」としているのである。 この点が重要なのは、市の実施したアンケートでも6割が反対、また市の肝煎りで設置した建設検討委員会でも賛否両論併記で、「多機能アリーナ」建設の正当性が得られなかった市当局が、追い詰められて、この「新市建設計画」にその正当性を求めるに及んでいるからである。 市長がハサミとノリを使って、勝手に張り付け合わせて作ったのが「多機能アリーナ」である、私がカリカチュア的に批判すると、議場から質問の意を伴った含み笑いが少なからず漏れた。 また、住民投票の件に関しても、「市民ミーティングでの市民の意見を伺いながら判断していきたい」と逃げた。ただこれも時間伸ばしに過ぎず、そしてその間に既成事実をつくろうという魂胆であることは見え見えである。ここで言う既成事実は、最大会派の「笛政クラブ」と議長の属する「正鵠会」や公明党をたのみに、「多機能アリーナ」建設の関連予算を定例議会ごとに何度も可決したり、また市の広報で大々的に「多機能アリーナ」キャンペーンを張ることによって果されるものである。実際、市当局はこの間そのように一生懸命に取り組んできている。 その効果は、「多機能アリーナ建設は決まってしまっている」という感覚を多くの市民が持つようになることによって、建設反対運動が無力感と諦めのなかで、沈静化していくところに現れる。 ところが、今議会とほぼ並行して実施された市のミーティング(市内7か所)では、住民投票実施の声が非常に強く、市政当局の既成事実づくり、むしろ裏目に出て、火(住民投票)に油を注いでいる格好になってきている。 住民投票拒否の市長の最後の砦は「議会制民主主義」である。市長は、「議会制民主主義」を基本とする自治体行政にあって、「住民投票」は議会をないがしろにするもの、という認識をもっている。そのようにしか取れない発言を議会でも、また市民ミーティングでも繰り返ししている。「議会制民主主義」とは、直接民主制の便宜的手段でしかないという、政治学のイロハさえ、市長にはわかっていない。何よりも、現下の議会を構成する議員は市民の直接選挙によって選ばれる。市民を代表するものとして議員は措定されている。だから、代表していないという事態が発生すれば、リコールという事態が法律で国民(市民)には保障されているのである。笛吹市における「多機能アリーナ」建設をめぐる非生産的な迷乱を解決するには、もはや民主主義の原点にもどって、市民の直接民主主義による「住民投票」しかない。 それを荻野市長が、「議会制民主主義」の名のもとに拒もうとするなら荻野市長に対するリコール運動へと、「多機能アリーナ」建設反対運動は展開せざるをえない。事実、市民ミーティングでそのような激しい意見が市民の中から発せられた。 |
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とことん市民・野沢今朝幸の笛吹市議会レポート6(11月9日掲載) 主な議会活動 H22 9月定例議会<9/3〜9/22> 今回の一般質問では、先回の一般質問において時間の都合で執行当局を質し切れなかった「バイオマス視察研修」に関する質問と、そして目下の笛吹市政でもっとも大きな政治的・政策的争点となっている「多機能アリーナ建設」に関する質問を行った。 @ 政務調査費での議員視察研修に職員随行は許されるか 前回の一般質問では、「議員のバイオマス視察研修」に議会費ではなく農林振興費が充てるという不法性=予算の流用について質した。10分という質問時間ではこの点を質すのがやっとであり、この視察研修がはらんでいたもう一つの問題点=「政務調査費での議員参加」という問題点を今回引き続き質問した。質問の趣旨はこういうものである。 まず、政務調査費(市から議員に支給)での議員活動は視察研修も含め、公務としては認められない、というのが異論のない法解釈である。公務でないなら、当然、職員の随行も許されないことになる。にもかかわらず、この度の「バイオマス視察研修」では参加議員14名中5名が政務調査費を充てて参加している。この5名に係わる随行職員の研修費用は不正支出ではないか。―こういう質問である。 このような質問に対し、副市長が答弁に立ったが、その答弁のほとんどは訳の分からない言い分であり、また質問の主旨からハズれるものであった。しかし、一つだけはっきり聞き取れたのは、「議会職員が随行したのでなく、農林振興課の職員が随行したので、それは随行には当たらない」という言い分である。だから、政務調査費で参加していた議員がいたとしても、不正な支出とはならない、という訳である。 だとしたら、一緒に行った職員は何だったのか。14名中9名の公務で参加した議員にも一人も随行議員がいなかったということなのか。とんでもない言いのがれである。―このようにもっと鋭く追及すべきところを、今回の質問では、時間に追われていたとは言え、甘く終わってしまったことは反省しなければならない。 質問の最後に、「間違いを認めないのが行政文化」だと言われているが、笛吹市政もやっぱり残念ながらこの悪しき行政文化に染まっている」と断じて次の質問に移った。 なお、先のレポートでも指摘したように、このようないい加減な形で視察研修を実施してしまう背景には、執行当局との議会側の緊張感の無さ、とりわけ最大会派である「笛政クラブ」の緊張感の無さがある点を再度指摘しておきたい。 A「多機能アリーナ」はそれほど必要か 一般質問をするために、議会事務局に質問通告書を提出した時点では、「多機能アリーナ」関連の補正予算は計上されるかどうか不明であったが、本会議開催時点には、1685万円の補正予算が計上された。市当局は、圧倒的多数の市民の反対にもかかわらず、経緯節に向けて強引なスタートを切った。そういう訳で、2番目に用意していた「多機能アリーナはそれほど必要か」―というはより重要性を増した。質問では以下の3点を質した。
部長の答弁は、まず建設ありきという立場に立っているので、こちらの質問に真面に答えようという姿勢は感じられない。そういう中で、私の中にしっかり記憶されたのは次のような言明である。「6割の市民の反対のアンケート結果も、建設検討委員会の両論併記という結果も、アリーナ建設に向けて乗り越えなければならない課題がどこにあるのかを知るためのものであり、それによって建設の合否が問われるものではない」という主旨の言明である。このような言い方を聞けば、まず建設ありきという姿勢が明々白々であることが分かる。 ところで、当日、この私の質問を傍聴にきた3人の女性(プラスもう一人の女性)が中心になって、「多機能アリーナ建設反対」の署名活動を展開することになるのだが、その署名活動の直接のきっかけになったのは、部長のこの発言ではないかと思われる。なにしろ、3人の女性はこの部長の発言に怒りを露にしていたからである。 今回、「多機能アリーナ建設」に向けての基本設計料等の補正予算は議会を通してしまったが、どの面からしても正当性のない「多機能アリーナ建設」に対し、建設反対の署名はまさに燎原の火のごとく広がっている。私もそれに連帯していくために建設反対の議会活動をさらに活発にしていかなければならない。 議会・議員の実態(その6) 〜「質問」という意味が分からない議員 そういうことであるにもかかわらず、笛吹市議会のかなりの議員は、この場合の「質問」の意味が分かっていないようだ。そのため、「質問」の本来の体を成していないことが多い。 議会での「質問」とは、この言葉が一般に使われているような、つまり「知らないことやまた聞きたいことを相手に述べるように求めること」ではない。議会での「質問」とは、執行当局の政治姿勢や政策・事業を、文字通り問い質すことである。要するに市民の立場から、市政のおかしなところを批判し、それを正すことに、その「質問」の眼目があると言える。 では、今回の定例議会の「一般質問」を例にとって笛吹市議会議員の「質問」の実態をみていこう。今回は7議員から合せて12件の質問が出されているが、それをちょっと強引に分類してみると以下のようになる。 Aの「質問」は議員の議会活動としては重要なものであるが、執行当局の政治姿勢や対象としている事業をしっかり議員自身が評価し、批判したうえでなければ、その提案も簡単に受け流されてしまう。また、そうでなければ、その提案自体も説得力をもちえない。 「一般質問」の本来の姿であるBのかたちの「質問」は私の質問を含めて全体の12分の3しかない。かなりお寒い状態である。県議会でもそうだが、@のような「質問」が巾をきかせ、そういうものも「質問」であると今後も勘違いしていくなら、市民は市議会に何の期待もしなくなり、議員自ら、昨今強まりつつある「議会不要論」に模することになる。 「多機能アリーナ建設」がいい例であるが、独断専行の本質にある笛吹市政を市民的立場からしっかり監視していくためには、ますますBのかたちの質問、つまり、執行当局の政治姿勢・実施している施策・事業を市民の視点から批判し、それを正していく質問が重要になってきている。 |
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とことん市民・野沢今朝幸の笛吹市議会レポート5(9月9日掲載) 主な議会活動 H22 6月定例議会<6/4〜6/15> ◎
一般質問 バイオマス視察研修は違法行為ではないか 今回の一般質問では、私が日頃からうまくないなと感じている「議会と市当局の緊張の無さ」を絵にかいたような事案が発生したので、そのことについて質した。 その事案とは、議会議員の視察研修を議会費でなく、農林振興費で実施したというものである。 笛吹市では、既に策定されている「バイオマスタウン構想」に沿ってバイオマスセンターの建設計画が進められているが、問題の議員視察研修は、その一環として企画されたものである。そもそも、この視察研修は議会活動の年間スケジュールに組み込まれていたものではなく、唐突に企画されたものである。もとはといえば、最大会派である「笛政クラブ」が会派の視察研修としてバイオマス関係の視察研修をしようと、農林振興課に相談したところ、それを聞き付けた市長の方から、農林振興課の予算で視察研修をしたらどうかという申し出があり、結局、議長や委員会の委員長などの役職議員を対象とした視察研修として実施された。 この件に関しては、視察研修決定までの不透明さやいい加減さなど目に余るものがあり、すでに議会への抗議の申し入れがなされ、議長から謝罪も得ており、また、全員協議会の席上でも取り上げられ、議長をはじめ一部議員の独断専行が非難された。 さて、質問であるが、その中身は「明らかに議員に限られた視察研修を議会費でなく、農林振興費から支出したのは、地方自治法で禁止している予算の流失に抵触しないか」というものである。これに対し、副市長は「これは執行側から参加要請したもので、執行側が行なう事業に議員が参加してもらう、これは当然」とし、傍証として「国際交流事業においても議員に参加してもらっている」と答弁された。 事の次第を見れば明らかなように、議員のための研修に、執行当局の予算を流用したというのが事の真相であって、国際交流事業を引き合いに出す副市長の答弁は強弁を弄しているとしか言いようがない。「二元代表制」の地方議会にあっては、視察研修のための費用はあくまでも議会費が充てられるべきであって、それを崩すならば、議会の執行部局からの独立性は獲得できない。 無節操に執行部局の予算でしかもそちらの企画した視察研修を今回のようにするならば、市長を中心とする執行部局に対する監視・制御という、もっとも大切な議会の機能を自ら放棄することになりかねない。視察研修の市長からの申し出を断るくらいの筋目を、執行部局との間に立てなければ、市長とは別に、市民から選ばれている議員の存在理由はなかろう。 いずれにせよ、最大会派である「笛政クラブ」の日ごろからの市長部局との緊張関係の無さが、今回のバイオマス視察研修の問題の背景となっていることは確かであろう。 議会・議員の実態(その5) 議会改革が遅々として進まない笛吹市議会 前回の6月定例議会から、一般質問の方式は従来の「一括質問一括答弁方式」から、「一問一答方式」へと改善された。「一問一答方式」では、質問と答弁が1対1対応して、議論のスキやブレがなくなり引き締まったものとなり、わかりやすくもなる。それと合わせて6月定例議会からは、従来の議員に向かっての壇上からの執行部当局を背中にした質問ではなく、執行部局に向かっての対面形式の質問となり、執行部局との議論が緊張感ある形へと改められた。 議会が本来、「言論の府」であることを考えると、これらの改革は遅きに失したとはいえ、喜ばしい改革である。それにしても、笛吹市の議会改革は遅々として進まない。進まないどころかむしろ全体としては後退しているのではないかとも感じられる。 以前に当レポートでも触れたが、例えば同一質問はたとえその質問の切り口が違っていても、質問の通告が遅かった方の議員にはその質問をさせないという約束ごとを、私をはじめ多くの議員が反対したにもかかわらず、この間つくってきた。これなどは「言論の府」としての議会を自ら放棄するような約束ごとであり、本来のあるべき議会改革からすれば、明らかに後退と言わざるを得ない。 このような動きからみれば、笛吹市議会は本当に議会改革をしようという意思があるのか疑問視せざるを得ない。また、そのような意思が仮にあるとするならば、議会改革の本来目指すところが何であるか分かっていないのではないか、という疑問が別々に沸いてくる。 言うまでもなく、自治体議会は、市民を代表する市長とこれまた市民を代表する議員が議論を戦わせるところである。それぞれ別々に市民によって選ばれた代表であり、「議院内閣制」の国会とは本質的に違うものである。政治学では国会の「議院内閣制」に対し「二元代表制」と呼んでいる。 「議院内閣制」の国会にあっては、多数政党―連立して多数となる場合もあるが―が与党を形成し内閣を組織し、野党との論戦を行なうことになる。これに対し、自治体議会にあっては、与党野党の区別など本来はなく、「二元代表制」のもと、議員は等しく、議会の議論を通して執行部局のチェックをするところに最重要の責務を負っている。 しかし、ほとんどの自治体議会と同じく、笛吹市議会も御多分にもれず、与党と野党の色分けの中で、議案審議等の議会運営をしている。とりわけ、最大会派の笛政クラブは「与党の立場」に安住しているように思われる。 実はここに笛吹市議会の議会改革が遅々として進まない根深い因子が埋まっているのではないかと、私は推察している。 議会を改革するということは、市民を代表して、市長を中心とする執行部局に対し、しっかり監視、制御する議会の権能をより発揮きるようにすることを意味する。いま求められている議会改革はつまり、「与党的立場」とは相容れない。ここに議会改革の肝がある。議会改革はそこを目指して改革の具体策を動員していかなければならない。 その第一歩の具体策は、昨今、多くの自治体議会で取り組まれるようになってきた「市民への公聴活動」である。ここ笛吹市にあっては、目下大きな政治的争点となっている「多目 私としては、「市民への公聴活動」こそ、議会改革の第一歩であるという確信のもとに、議会での活動を強力に進めていくつもりである。
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● | 笛吹市議会を傍聴して 川村晃生 9月7日(火)、午前、笛吹市議会にに出向き、野沢市議の 一般質問を傍聴してきました。その質疑応答の・・・ (2010年9月9日掲載) |
とことん市民・野沢今朝幸の笛吹市議会レポート
野沢議員の議会活動レポートです〜機関紙「みんなのみどり」より