笛吹市議会を傍聴して
                                             川村晃生

 9月7日(火)、午前、笛吹市議会に出向き、野沢議員の一般質問を傍聴してきました。
その質疑応答の詳細は、いずれご本人からレポートがあるでしょうから、ここでは傍聴し
ながら感じたり思ったりしたことを、書き留めたいと思います。
 まず、質問時間ですが、野沢さんに先立って質問に立ったA議員は、最大会派に属し
ているから30分余が与えられ、野沢さんはわずか10分。野沢さんは結局時間切れのた
め、質問の一部をを残してしまったようです。それに対してA議員は、10分ほど質問時間
を残して、質問を終了。これを見て感じたのは、質問時間の余る人と足りない人の不平
等性ということです。どの会派に属していようとも、質問は個人が行なう議会活動ですか
ら、平等を原則とすべきではないでしょうか。
 次に、行政側(執行部)の、質問に対する答弁です。野沢さんが質問した一つのテーマ
は、バイオマス施設の視察研修を行なった議員の費用が、公費(農林振興費)でまかな
われた問題で、予算の流失であることに抗議をふくめてただそうとしたものですが、明確
な理由づけができないまま何とかその正当性を通そうとした行政側の対応は、何とも違
和感をおぼえました。野沢さんが、それを「まちがいを認めない悪しき行政文化だ」と批判
したのはもっともなことです。
 またもう一つ、「多機能アリーナ」というハコモノ建設をめぐってその是非をただした質問
でも、市長が政治生命をかけてやり遂げるという姿勢に対して野沢さんが市長に直接呼
びかけても、質問予告にはないからと言って行政マンが答えていました。たとえ予告には
なくとも、これくらいは市長が答えないと、議会は活性化しないだろうなあと思いました。議
会の儀式化の一つですね。また市民へのアンケートで6割の人が施設に反対としているこ
とに対し、アンケートは検討するための調査で決定的な答えではない、あくまで打診で、反
対でもなぜ反対か、反対の課題をどう乗り越えるかを考えるためのものだと答えていまし
たが、もちろんそういう意味はあってもよいと思っていますが、だからと言って反対6割の
意思は汲みとらなくてもよいということではないでしょう。このあたりに合併特例債が使える
うちにぜひとも造ってしまおうという、政治生命を賭けた(?)強い意志を感じてしまい、これ
ではまず「建設ありき」で、市民の理解を得るのは難しいだろうなあと思いながら聞いてい
ました。
 いろいろな点で野沢さんの望む議会改革も道のりが遠いと感じた次第です。なお質問と
応答が、一問一答の対面形式になったことは前進だと思います。
                                  (2010.9.7)     以上